ビタミンK欠乏性出血症とケイツーシロップについて

はじめに

 赤ちゃんは、生まれてから聴力検査や黄疸検査などの様々な検査を受けます。また病気を予防するためにお薬の投与もされています。

 今回は、その中の一つ「ケイツーシロップ」についてお話したいと思います。

ケイツーシロップとは

 ケイツーシロップとは、赤ちゃんに起こりやすい出血を防ぐためのお薬です。ビタミンKを2mg含んでいます。赤ちゃんが飲みやすいように甘い味で作られているようです。

 血管が傷ついた時、出血を止めるためには血液を固めるために必要な物質「ビタミンK」が不可欠です。大人は大腸の細菌が「ビタミンK」を作ってくれますが、赤ちゃんの腸には細菌がいません。胎盤を通してお母さんから受け取ることになるのですが、「ビタミンK」は胎盤を通りにくいために生まれた時の赤ちゃんの体の中には大人の5分の1しかありません。生まれてからも腸に細菌が住みつくのには時間がかかるので、母乳やミルクの中に「ビタミンK」が少ないと赤ちゃんは「ビタミンK」不足になってしまうのです。

 数年前までは産院が入院中や1ヶ月健診などで合計3回投与していましたが、今では生後3ヶ月近くまで毎週1回ケイツーシロップ投与する方法も勧められています。ほとんどの赤ちゃんは3回の投与で大丈夫なのですが、たまに3回投与しても出血症が発症してしまう赤ちゃんがいるためだそうです。私の行っていた産院では毎週1回の投与を採用していました。

ビタミンK欠乏症とは

 ビタミンKが欠乏することで起こる出血症には2種類あります。

 新生児ビタミンK欠乏性出血症
 時期:生まれてから7日までに起こります。特に2〜4日目に起こりやすいです。
 症状:消化管での出血が多く、血を吐いたり便に血が混じったりします。
 予防の発症率:300人に1人(約0.35%)
 予防の発症率:【3回の投与】ほぼ完全に防げる

 乳児ビタミンK欠乏性出血症
 時期:生まれてから3週〜3ヶ月の間に起こります。
 症状:8割以上が頭の中に出血するため、不機嫌、嘔吐、けいれんなどの症状が見られます。
 予防の発症率:4000人に1人(母乳の場合は1700人に1人)
 予防の発症率:【3回の投与】約5万人に1人【週に1回】ほぼ完全に防げる

ケイツーシロップの経験談

ケイツーシロップはどこでもらうの?

 私の場合、産院から退院するときにケイツーシロップをもらいました「毎週月曜日(曜日は人によって違います)赤ちゃんにあげてくださいね」と説明を受けました。多少こぼしても大丈夫、あげたかどうか忘れても、仮に2日連続であげてしまっても問題はないお薬、とのことです。
 「週に一度なんて絶対に忘れる!」と思った私は、カレンダーにリマインダーをセットしていました。産後の育児は本当に忙しいので、リマインダーを使うのはおすすめです。

赤ちゃんへのあげかた

 ケイツーシロップは液体のお薬です。赤ちゃんへのあげ方はいくつかありますが、私は哺乳瓶の乳首に入れてあげていました。これだとあまりこぼさないのでおすすめです。確実に飲んでもらうため、授乳前にあげるようにしましょう!

あげた後の様子

 甘い薬のようで、飲むのを嫌がることはありませんでした。お薬の後の授乳でもいつもどおり飲んでくれ、その後も変わった様子はありませんでした。
 今はケイツーシロップからも卒業していますが、出血症を発症した様子もなくホッとしています。

さいごに

 赤ちゃんの病気って本当に怖いですよね。予防できるものは予防したいものです。

 今回は出血症を予防するケイツーシロップについてお話しました。産院によって投与回数は違うかもしれませんので、詳細は産院で聞いてみてください

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